About Scarlet Field Mark
Scarlet Field Markについて
場所は語る。私たちはその言葉を聴く者である。
広野に立つ標識のように、記憶の地平線に印を刻む。
開かれた野から
すべては始まった
二〇二三年の晩秋、代表の田中朱は北関東の広大な農耕地を訪れていた。収穫後の黄金色の野に、遠くまで等間隔に並ぶ測量の標識を見た瞬間、彼女の中で何かが結晶した。
その標識は単なる工学的なマーカーではなかった。場所を定義し、意味を与え、記憶を固定する、視覚的な詩であった。水平の地平線と垂直の標識が交差する点——そこに、すべてのアイデンティティデザインの原理が宿っていると、彼女は確信した。
Scarlet Field Markは、その直感から生まれた。場所を印す行為を、ビジュアルデザインの核心に据えること。自然のフィールドが持つ詩学を、企業や文化のアイデンティティへと変換すること。
場所の記憶こそが
アイデンティティである
私たちの根本的な問いは常にこうである——「この場所は何者か?」企業も文化も、場所と切り離してアイデンティティを持つことはできない。場所は存在の根拠であり、記憶の基盤である。
日本の美意識の中心には「間」がある。空白こそが意味を生む空間。Scarlet Field Markのデザインは、この思想を実践する。広大な余白の中に配置された単一の記号が、最も雄弁に語る。
私たちは、視覚的アイデンティティを「場所の翻訳」と考える。クライアントの本質的な場所性を、普遍的な視覚言語へと変換すること——それが私たちの哲学の核心である。スカーレットという色は、存在を確認する。「ここに、何かがある」と。
フィールドに出て
デスクに戻る
私たちのプロセスは常に現場から始まる。クライアントの場所を直接体験し、その土地が持つ固有の感覚——匂い、音、光の質、時間の流れ方——を身体で記録する。これをフィールドワークと呼ぶ。
フィールドの体験をスタジオへ持ち帰り、幾何学と詩的直感の間で形に変換していく。スケッチから始まり、デジタルの精密さへ。しかし常に、手書きの温度感を最終形に残すことを意識する。
一つのプロジェクトに対して、私たちは最低三ヶ月を費やす。急かされたデザインは場所の本質を捉えられないから。季節が一巡するのを待つこともある。場所は時間とともに変化し、最も美しい表情はいつも一瞬に宿る。
私たちの価値観
すべての地には固有の精神性がある。設計者はそれに耳を傾け、介入ではなく応答として形を与える。
デザインは時間を無視できない。春夏秋冬のサイクルが教える変化と再生の知恵を、視覚言語に織り込む。
過去は現在の基盤である。場所の記憶を丁寧に掘り起こし、未来へと橋渡しするデザインを追求する。
自然は最も優れた設計者である。有機的な形態と幾何学的な秩序の対話から、最も生きたデザインが生まれる。
デザインは機能だけでなく、感情を詩として表現する。美しさは選択ではなく義務である。
チーム
武蔵野美術大学卒業後、ミラノ・ニューヨークにてブランドデザインを修得。帰国後Scarlet Field Markを創業。場所と記憶の視覚化に情熱を注ぐ。
東京藝術大学デザイン科出身。植物学と美術の二重専攻という異色の経歴を持ち、有機的なフォルムとタイポグラフィの融合を専門とする。
工業デザインと視覚デザインの双方を修めた後、数年間スイスのデザイン事務所に在籍。幾何学的精密さと日本の感性を融合させるデザインを追求する。
スタジオ
代官山のフィールドテラス5Fに構える私たちのスタジオは、その名の通り「テラス(高台)」から東京の地平線を望む場所にある。都市のフィールドを見下ろしながら、デザインを考える。
スタジオの内部は、意図的に余白を多く保っている。大きな作業台、整然とした書棚、そして東向きの大窓から差し込む朝の光。全てのデザインは、この静かな空間から生まれる。
スタジオ訪問は予約制です。作品の展示と制作プロセスをご覧いただけます。ご興味のある方はコンタクトページからご連絡ください。
スタジオ訪問を予約するコラボレーター
志を共にするスタジオ、制作者、思想家とのコラボレーションが、私たちの実践を豊かにする。